学校安全(総論)(東京学芸大学教職大学院 渡邉正樹):校内研修シリーズ No116

NITS独立行政法人教職員支援機構
31 Oct 202221:10

Summary

TLDR東京学芸大学の渡邉正樹が学校安全の重要性を説く。学校安全は心身の安全を確保し、事故を最小限に抑える活動。文部科学省の「生きる力」に基づく計画では、児童生徒が適切に判断し行動する能力を育むことが目標。安全管理、安全教育、組織活動の3つが基本。安全教育は教科を超えた総合的なアプローチが求められる。危機管理マニュアルは学校保健安全法に基づく必要不可欠なもの。学校事故対応は事故を調査し、再発防止に努める。最新情報を集めることも重要で、文部科学省の学校安全ポータルサイトがその一例。

Takeaways

  • 🏫 学校安全の意義は、心身と物品に危害をもたらす危険や災害を防止し、万が一にも事故が発生した場合は被害を最小限にすることです。
  • 👥 安全管理は対人管理と対物管理の両方を含み、特に施設設備の安全管理は非常に重要です。
  • 👶 学校安全の目的は、すべての児童生徒が適切に判断し主体的に行動できるよう、安全に関する資質・能力を身に付けることです。
  • 📉 学校管理下における児童生徒等の死亡事故件数を限りなくゼロにし、負傷・疾病の発生率を減少させることが目標です。
  • 👮‍♂️ 組織活動は学校安全の推進に必要な校内の組織活動に加えて、地域・家庭、関連機関との連携も不可欠です。
  • 🚸 学校安全は生活安全、交通安全、災害安全の3つの分野を取り扱い、これらは学校内外の様々な事故や災害に対処するものです。
  • 📚 安全教育は各教科や特別活動において行われ、特定の教科に限定されるものではありません。
  • 🔍 安全点検は定期的に行われ、発見された不備は迅速に修正することが求められます。
  • 🛡️ 危機管理マニュアルは学校保健安全法で義務付けられており、事前に策定し、定期的に見直しを行って改善が求められます。
  • 🚑 学校事故対応では、万が一事故が発生した場合は原因を明らかにし、再発防止に向けた詳細な調査と対策が行われます。
  • 🌐 文部科学省が運営する学校安全ポータルサイトは、最新の情報やマニュアル、教材などを提供しており、学校の研修に活用されるべきです。

Q & A

  • 学校安全の意義と目的は何ですか?

    -学校安全の意義と目的は、文部科学省の『生きる力』をはぐくむ学校での安全教育に書かれている内容で、安全な社会を実現することが全ての人々が生きる上で最も基本的かつ不可欠なことです。事故や事件を未然に防ぎ、万が一発生した場合には被害を最小限にするために適切に対処することが求められます。

  • 学校安全の活動は何を目的としていますか?

    -学校安全の活動は、第3次学校安全の推進に関する計画に書かれている三つの目指す姿を達成することを目的としています。それは、児童生徒が自ら適切に判断し主体的に行動できる資質・能力を身に付けること、学校管理下における児童生徒の死亡事故を限りなくゼロとすること、そして負傷・疾病の発生率を減少させることです。

  • 安全管理にはどのような活動が含まれますか?

    -安全管理には、対人管理と対物管理の二つが含まれます。対人管理には子どもたちが安全に行動するためのルール作りや安全な登下校の通学経路の設定などが含まれます。対物管理には学校環境の施設設備の安全を図るための活動が含まれます。

  • 学校安全の領域にはどのようなものがありますか?

    -学校安全が取り扱う領域には、生活安全、交通安全、災害安全の三つがあります。生活安全には家庭や学校での事故の防止、犯罪被害の防止が含まれ、交通安全には道路交通安全や鉄道など他の交通場面での安全確保が含まれます。災害安全には自然災害や人為的な災害の防止が含まれます。

  • 危機管理マニュアルの役割は何ですか?

    -危機管理マニュアルは、学校での危機的な事象が発生した場合の対応方法を定めたもので、事前の危機管理、事後の危機管理を含みます。文部科学省が作成した手引きを参考に、各学校で独自のマニュアルを策定し、定期的に見直しを行うことが重要です。

  • 学校事故対応の際に必要な調査とは何ですか?

    -学校事故対応の際には、事故の原因を明らかにし再発防止を図るために、基本調査と詳細調査を行います。基本調査は学校が行い、詳細調査は学外の専門家が行います。調査結果を報告書にまとめ、再発防止策を講じることが求められます。

  • 学校安全計画とは何ですか?

    -学校安全計画は、安全教育、安全管理、組織活動の内容を示した年間計画で、学校が策定することが法律上定められています。これは、学校の安全活動を効率的かつ効果的に行うために必要なものです。

  • 安全教育の重要性について説明してください。

    -安全教育は特定の教科だけで行うものではなく、各教科、総合的な学習の時間、探究の時間、特別活動など様々な教育場面で行われます。安全に関する知識・技能だけでなく、適切な思考力・判断力を育成し、主体的に行動できる力を身に付けることが重要です。

  • 学校安全の法的根拠は何ですか?

    -学校安全の法的根拠は、学校保健安全法にあります。この法律は、学校の施設設備の安全点検、安全計画の策定、危機管理マニュアルの策定、関係機関との連携などを定めています。

  • 生命の安全教育について具体的に説明してください。

    -生命の安全教育は、性犯罪・性暴力を防ぐための教育で、小学校、中学校、高校それぞれの発達段階に応じた教材が作成されています。自分や他人の体を大切にすること、SNSの使用時の注意点、デートDVの対処方法、被害に遭った場合の相談方法などが含まれています。

Outlines

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🏫 学校安全の意義と目的

東京学芸大学の渡邉正樹が学校安全の総論を解説。学校安全の意義は、心身と物品に危害をもたらす危険や災害を防止し、万が一に備えた適切な対応を講じること。学校安全は、個々人が安全に行動し、社会全体の安全を図ることを含む。文部科学省の「生きる力」をはぐくむ学校での安全教育に基づく。学校安全の推進に関する計画には、児童生徒が適切に判断し主体的行動できるよう、死亡事故の発生件数をゼロに、負傷・疾病の発生率を減少させるという3つの目標が挙げられている。

05:01

👮‍♂️ 学校安全の推進と法的根拠

学校安全の推進は、安全教育、安全管理、組織活動という3つの柱によって行われる。安全教育は教科を問わず行い、安全管理は対人管理と対物管理に分かれる。対物管理では学校環境の安全管理が重要で、対人管理ではルール作りや通学経路の確保が挙げられる。組織活動は校内だけでなく、地域、家庭、関連機関との連携を図ることで強化される。学校安全の法的根拠は学校保健安全法であり、学校の施設設備の点検、学校安全計画の策定、危機管理マニュアルの作成、関係機関との連携が求められる。

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🚸 交通安全と災害安全の重要性

学校安全は生活安全、交通安全、災害安全の3つの分野から成り立っている。生活安全では学校や家庭での事故防止、犯罪被害防止が含まれる。交通安全は交通場面における危険回避と事故防止に焦点を当て、児童生徒が被害者になるだけでなく、加害者になる可能性もあることが強調される。災害安全では自然災害や人為的な災害に対処し、近年は応急手当や心のケア、SNSを通じた犯罪被害なども取り上げられる。

15:05

🔍 安全管理の実践と安全教育の展開

安全管理では定期的な安全点検が行われ、その結果をもとに改善が図られる。具体例として天窓に防護柵を設置し、階段の手すりに突起物を設置するなどの対策が紹介される。安全教育は様々な教科と特別活動を通じて行われ、防災を含む教育が重要視されている。また、危険予測や回避能力の育成が求められるとともに、性犯罪や性暴力を防ぐための教育も行われている。

20:06

🛡️ 危機管理マニュアルと学校事故対応

危機管理マニュアルは学校保健安全法で義務付けられており、危機的な状況に対処するための計画と手順が記載されている。マニュアルの作成後、定期的な見直しと訓練が重要で、国が提供するガイドラインに基づいて評価と改善が行われる。学校事故が発生した場合、30日以上の治療を要する怪我や死亡事故については、原因を明らかにし再発防止を図るために調査が行われる。

📚 学校安全活動の継続的な情報収集の重要性

学校安全活動では新しい情報が継続的に集められ、それが研修に活用されることが重要である。文部科学省が運営する学校安全ポータルサイトが毎月更新され、全国の都道府県で使われているマニュアルや安全教育の教材、国の取り組みに関する資料が提供されている。

Mindmap

Keywords

💡学校安全

学校安全とは、学校内で起こる様々な危険や災害を防止し、万が一に備えた適切な対処を行った状態を指します。このビデオでは、学校安全の意義と目的について語られており、学校教育における基本的かつ不可欠な要素として位置付けられています。例えば、学校安全は自分自身だけでなく、他の人や社会全体の安全を図ることも含まれていると説明されています。

💡安全管理

安全管理は、学校内で起こる事故を未然に防ぐための活動であり、対人管理と対物管理の2つに分けられます。対人管理は、子どもたちが安全に行動するためのルール作りや通学経路の設定などに関するものです。対物管理は、学校環境における施設設備の安全管理に重点を置いています。ビデオでは、安全管理が学校安全の重要な柱として紹介されています。

💡安全教育

安全教育は、学校教育の中で行われる教育の一つで、生活安全、交通安全、災害安全などを含みます。ビデオでは、安全教育が特定の教科ではなく、様々な教育場面で行われることが強調されています。また、安全教育は知識・技能だけでなく、思考力・判断力の育成にも重点を置いています。

💡危機管理マニュアル

危機管理マニュアルは、学校内で危機的な事象が発生した際に迅速かつ適切に対応するためのガイドラインです。ビデオでは、学校保健安全法に基づいて各学校が策定し、定期的に見直しを行っていることが示されています。危機管理マニュアルは、予防から事後処理までを網羅する重要な文書です。

💡学校事故対応

学校事故対応は、学校内で事故が発生した場合に、適切な調査と対処を行って再発防止につながる活動です。ビデオでは、30日以上の治療を要する怪我や死亡事故が発生した場合の対応について語られており、事故の原因を明らかにし、再発防止を図ることが求められています。

💡学校保健安全法

学校保健安全法は、学校安全を含む学校保健に関する法律です。ビデオでは、この法律が学校安全計画の策定や危機管理マニュアルの作成など、学校安全に関する活動の法的根拠として機能していることが説明されています。

💡生活安全

生活安全は、学校や家庭で起こる事故や犯罪被害の防止を含む分野です。ビデオでは、生活安全が学校安全の取り扱う領域の一つとして挙げられており、特に犯罪被害防止にも注目されています。

💡交通安全

交通安全は、交通場面における危険を防ぐことや事故を避けるための教育を指します。ビデオでは、交通安全が学校安全の重要な部分として紹介されており、児童生徒が交通ルールを守ることだけでなく、時には加害者になる可能性があることも触れられています。

💡災害安全

災害安全は、自然災害や人為的な災害に対して備える教育と対策を指します。ビデオでは、地震、津波、火山、風水害などへの対応が災害安全の例として挙げられており、応急手当や心のケアも含まれていると説明されています。

💡学校安全推進計画

学校安全推進計画は、学校安全の目標や取り組むべき活動を具体的に示した計画です。ビデオでは、学校安全推進計画に書かれている目標として、児童生徒が自ら適切に判断し主体的行動できるように育成することや、学校管理下での死亡事故をゼロにすることなどが挙げられています。

Highlights

渡邉正樹が学校安全の意義と目的について講義を行った。

学校安全は心身や物品に危害をもたらす危険や災害を防止し、万が一の事故に適切に対応することが求められている。

学校安全の推進に関する計画には、児童生徒が自ら適切に判断し主体的行動できるよう、安全に関する資質・能力を身に付けることが挙げられている。

学校安全の活動は自分自身だけでなく、他の人、社会全体の安全を図ることも含まれている。

安全教育は各教科や特別活動など様々な教育場面で行われ、特定の教科に限定されない。

安全管理は対人管理と対物管理の両方を含み、学校環境の安全管理が非常に重要である。

組織活動は安全教育・安全管理を進める上で必要な校内の組織活動に加えて、地域・家庭、関連機関との連携も不可欠。

学校安全の領域は生活安全、交通安全、災害安全の3つを含んでいる。

学校安全活動の法的根拠は学校保健安全法であり、学校の施設や設備についての事柄、安全計画の策定、危険発生時の対処要領などが定められている。

安全点検は定期的に行われ、発見された不備を迅速に修正することが求められている。

安全教育は知識・技能、思考力・判断力、学びに向かう力と人間性を育成することが重要。

生命の安全教育は性犯罪・性暴力を防ぐための教材として、小学校・中学校・高校それぞれの発達段階に合わせて作られている。

危機管理マニュアルは学校保健安全法で各学校が策定し、訓練を行って評価し、問題点を改善することが求められている。

学校事故対応では、事故を調査し再発防止を図ることが重要であり、被害児童生徒の保護者に対しても適切に対応することが求められている。

学校安全活動は新しい情報を集めることが重要で、文部科学省が作成した学校安全ポータルサイトを活用することが提案されている。

Transcripts

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東京学芸大学の 渡邉正樹です

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今回の講義テーマは 学校安全(総論)です

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講義の内容は 次の通りです

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まず学校安全の意義と目的について お話しします

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続いて安全管理・安全教育 危機管理マニュアル

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最後に学校事故対応について お話ししていきます

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最初に学校安全の意義と目的ですが

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これは文部科学省の 「『生きる力』をはぐくむ

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学校での安全教育」に書かれている内容です

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安全な社会を実現することは 全ての人々が生きる上で

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最も基本的かつ不可欠なことである

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安全とは 心身や物品に危害をもたらす 様々な危険や災害が防止され

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万が一事件や事故 災害等が発生した場合には

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被害を最小限するために 適切に対処された状態である

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これは学校に限らないことですけれど

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事故や事件を未然に防ぐということが 最も大切なんですが

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万が一事故等が発生した場合には 怪我などを最小限にするために

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適切に対処した状態 これもまた安全ということになります

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学校安全はこのような安全を確保するために 行う活動ということができます

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そしてそれは自分自身だけではなくて 他の人

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社会全体の安全を図るということも 含まれております

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学校安全の目的ですけれど これは第3次学校安全の推進に関する計画に

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書かれている内容です

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ここでは目指す姿として ここに書かれている三つのことです

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全ての児童生徒等が自ら適切に判断し 主体的行動できるよう

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安全に関する資質・能力 を身に付けること

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学校管理下における児童生徒等の 死亡事故の発生件数について

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限りなくゼロとすること

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学校管理下における児童生徒等の 負傷・疾病の発生率について

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障害や重度の負傷を伴う事故を 中心に減少させること

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この三つが挙げられております

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この目指す姿を達成するために 学校安全の活動が行われるという

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そういう理解でいただきたいと 思っております

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そのためにはここの体系図で 書かれているような重要な活動

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安全教育・安全管理 そして組織活動が

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学校安全の骨組みということになります

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安全教育は各教科 総合的な学習の時間・探究の時間

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そして特別活動など 様々な教育場面において行うもので

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特定の教科で行う というものではありません

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このことについてはこの後 またご説明していきたいと思います

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そして安全管理ですが 対人管理と対物管理の

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二つを挙げることができます

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特に対物管理の学校環境の安全管理は 施設設備の安全を図るという意味で

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非常に重要な活動ということになります

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また対人管理につきましては 例えば子どもたちが

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安全に行動するためのルール作り

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また安全な登下校を行うための 通学経路を調べて

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それを設定するということなど そういったようなことが

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対人管理の中に含まれます

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組織活動はこのような 安全教育・安全管理を進めていく上で

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必要な校内の組織活動のほか 地域・家庭

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そして関連機関 これは警察であるとか消防署など

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そういったところとの連携を 図っていくということになります

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そして学校安全が取り扱う領域は どういう領域かということになりますが

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この生活安全・交通安全・災害安全 この三つを取り上げるということになります

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生活安全は主に学校や あるいは家庭で起こる事故など

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そういったものを 取り扱っておりますけれど

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それ以外にも犯罪被害の防止も この生活安全の中に含まれます

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交通安全は様々な交通場面における 危険・安全・事故防止が含まれますけれど

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通常道路交通安全が 扱われることが多いのですが

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鉄道などそれ以外の交通 場面においても

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安全を図るということも この中に含まれるというふうに

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考えていただきたいと思います

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さらに交通安全については児童生徒が 被害者になるということではだけではなく

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時には加害者になってしまう ということもあるわけです

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例えば自転車に乗っていて 歩行者に接触して

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相手を怪我させてしまう ということがあります

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ですのでそういう加害者に ならないための教育というのも

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この交通安全には含まれています

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そして災害安全ですが 地震・津波・火山・風水害

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そういったような自然災害を 取り上げますけれど

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それ以外にも人為的な要因が関わるような 火災・原子力災害もこの中に含まれています

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この中には明記されておりませんけれど 例えば応急手当・心のケアなども

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この学校安全の中で 取り扱う内容となっています

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さらに近年様々な危機事象が 取り上げられることがあり

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例えばSNSを通じた犯罪被害など そのように時代や社会の変化に伴って

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変わっていくもの 新しく起きるようなこと

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そういったことについても この学校安全の中で取り上げていく

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ということになるということを ご理解ください

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そしてこのような学校安全の活動の 法的根拠になっているのが

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学校保健安全法です

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学校保健安全法は 学校安全だけではなく

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学校保健についての内容も 定めている法律ですけれど

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その中から特に学校安全に関する部分を このように抜き出しております

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一番最初の学校の施設 又は設備についての事柄ですけれど

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これは安全点検 そして安全点検で見つかった不備を

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改正していくという内容が 含まれております

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2番目の内容ですけど これは学校安全計画の策定です

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学校安全計画については 先ほど申し上げた安全教育

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安全管理そして組織活動の内容を示した 年間計画ということになります

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これは学校が策定する しなければいけないものとして

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法律上定められております

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そして3番目ですけれど 学校における危険等発生時対処要領

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これはいわゆる 危機管理マニュアルのことですけれど

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この策定も学校に 義務付けられております

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そして最後には 関係機関との連携

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これが学校安全の体制を 強化することにつながる

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ということが示されております

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そして今まで申し上げてきたように この学校安全計画に基づいて

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安全教育・安全管理は このように車の両輪のように

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働いていくということなんですが それを効率よく

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効果的に行うためには 組織活動が必要であるということです

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そして先ほど申し上げたように 校内だけではなく

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家庭・地域関連機関との連携がそれには 不可欠だということを示しております

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さて次に安全管理について お話ししておきます

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安全管理の中で先ほど申し上げたように 施設設備の管理

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これがとても重要になってきます

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それにはこの今 スライドを示しておりますように

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安全点検そしてその安全点検の中身も 定期の安全点検・臨時の安全点検

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日常の安全点検を行うということが 学校保健安全法及び

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施行規則の中に 示されております

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特に定期の安全点検につきましては 毎学期1回以上

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計画的に実施する ということになっております

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臨時の安全点検は 例えば学校行事の行われる前または後

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または例えば台風が来たなど そういう自然災害が起きた時の

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その後の安全点検

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そして日常の安全点検は毎授業日ごと 授業の前に先生方が

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例えば施設設備を何か使う場合に それが問題がないか

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破損していないか そういったようなことを

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チェックするために行います

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なお定期の安全点検などは 学校の先生方では難しいものがあれば

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専門の業者に 点検を依頼するということが

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実際行われていると思います

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いくつか学校安全の問題となる その施設設備とその点検の後の

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改善方法について お話ししたいと思います

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左側の写真は これは天窓ですけれど

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天窓の上に 防護柵がつけられております

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過去に天窓の上に乗った児童が その天窓が割れて

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落下して死亡するという 事故が発生しております

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このように柵を設けることによって 直接天窓の上に乗れないような

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対策を行ったというものです

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天窓は通常屋上にあるものですから あまり子どもがそこで遊ぶということを

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あるいはそこで授業で使う というようなことを想定しておりません

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ですが少しでも その児童生徒が屋上に行って

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天窓の側に行くということが あるのならば

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そこのところにこのような柵を設けた 安全対策を行っているかどうか

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という点検が必要になってきます

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右側ですけれど これは階段の様子ですけれど

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階段で起こる重大事故というのは 手すりを滑って

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そのまま転落するということは かなり多いわけです

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ですのでこのような手すりに 突起物を置いて

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滑らなくしているという そういう対策です

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そしてやはり窓は 転落事故を起こした場合

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重大な結果を招くことが多いものですから このような手すりをつけたり

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開口部を制限するなどの対策が 行えております

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このような安全対策が 行われているかどうか

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またそれ以前に 例えば窓が割れているとか

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破損しているとか そういうような様々な視点で

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この安全点検を行い もし見つかった場合は迅速に

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修正をするということを 行っていただくということになります

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他にも最近は 水害・土砂災害が問題になっております

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これは水害・土砂災害が起きることを想定した 対策ということを示したものです

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今学校では耐震化はかなり 校舎の耐震化が進んでおりますけれど

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今後はこのような水害・土砂災害に 対する対応というのも

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安全管理では非常に重要に なってくるかと思います

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続いて安全教育です

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安全教育は特定の教科で 行われるものではなく

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様々な教科・特別活動あるいは 関連した道徳とか総合的な学習の時間

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高校ですと探究の時間ですね

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そういったもので 行うということになっております

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ここで示してありますように安全教育 特に防災を例に挙げておりますけれど

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様々な教科でそれぞれの講師ごとに このように位置づけになっている

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ということが示されております

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繰り返しになりますけど安全というのは 特定の教科だけで行うものでありませんので

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各教科に関連させて 効果を上げるということ

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それが非常に重要に なってくるんですが

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つまりカリキュラムマネジメントに 基づく安全教育を進めていく

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ということになるわけです

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そこで身につけるべき 資質・能力ですけれど

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ここには知識・技能 思考力・判断力等

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そして学びに向かう力と人間性等という 現在の学習指導要領で育成すべき

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三つの資質・能力に基づいて 安全に関する内容を示したものです

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もちろん安全に関しては 知識・技能というものを身につけることは

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とても大事なんですけれど それに基づいてですね

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適切に思考力・判断力・表現力も 育成していくということが求められています

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特に安全教育ではこれまで どちらかといえば

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ルールや約束を守るという そういった学習が中心になっておりました

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例えば交通ルールを守るということは 学校でよく行われておりますけれど

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ただこれは小学校低学年ぐらいであれば 効果的だと思うんですが

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徐々にここにありますように 危険予測・回避能力を

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身につけていくという 安全教育が必要になってきます

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ここで危険予測・回避ということが 書かれておりますけれど

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これは要するに 周りに大人がいなくてもですね

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自分で考えて行動するという そういう力を見つけていってほしい

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ということを示しています

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ということで約束は それも非常に重要なんですけれど

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場合によってはそれに当てはまらない ケースも出てきます

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そうすると子どもたち自身で判断して そして主体的に行動する

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ということが必要になってきます

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ですので安全教育では 危険予測・回避の学習ということが

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とても大事になってくるということになります

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一つ現在特に重要とされている 生命の安全教育について少しお話しておきます

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これは性犯罪・性暴力を防ぐための 教材として作られているものなんですが

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小学校・中学校・高校それぞれの 発達段階にあった形で

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作られているというものです

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具体的にはこのような教材が あるんですが

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自分自身そして他の人の体を 大切にするということ

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そして例えば具体的に 小学校の高学年ですと

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性犯罪に結びつきやすい SNSを使うときの注意

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中学校になりますともっと直接的に 例えばデートDVのようなもの

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その場合のこの関係性 人との距離の持ち方

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そういったようなことを 学んでいくということです

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もし何かしら被害に 遭いそうになってしまったり

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もしくは被害に遭ってしまった場合には 適切に相談をすると

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そういった内容が含まれております

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現在このような教材も全国の学校で 進められているところです

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次に危機管理マニュアルについて お話しします

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危機管理マニュアルは 先ほど申し上げたように学校保健安全法で

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各学校が策定しなければいけない ということになっております

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危機管理は狭い意味では何か 危機的な事象が発生した場合に

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対応するということになりますが

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実際にはそれを防ぐための 事前の危機管理

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そしてある程度危機的な状況が過ぎた後の 事後の危機管理も含まれております

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今ご覧になっていただいているのは 文部科学省が作った

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学校の危機管理マニュアルの 作成の手引きですけれど

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このようなものを参考にして 各学校で独自のものを

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作成していただきたいと思います

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しかしただ作っただけではなく やはり作った後に見直すということが

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とても大事になってきます

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ここに示したのはその見直しの手順を 示したものですけれど

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作成したものをもとに 訓練を行って評価し

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問題点があれば見直しを図って 改善を図るという流れになっております

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このマニュアルの見直しに 関してはですね

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このような危機管理マニュアル 評価・見直しガイドラインというものも

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国から出ております

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チェックリストでチェックをした後 解説を参考にして修正を図り

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そういったサンプル編をもとにして 例えば具体的な取り組みを盛り込んでいく

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というそういうようなことが できるようになっております

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そして最後に 学校事故対応についてお話しします

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学校で万が一不幸にして 事故が発生した場合

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特に30日以上の治療を要する 怪我であったりとか

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あるいは死亡事故ということが 起きた場合にはそれをきちっと調査し

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再発防止を図るということが 重要になってきます

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また被害に遭った児童生徒の 保護者に対しても

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適切に対応するということが 求められております

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そこで必要になってくる こととしては

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事故をきちっと調査する ということになります

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この調査には基本調査と詳細調査という 二つの進め方があるんですけれど

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特に基本調査は学校が行うもので 事故発生から最初の1週間のうちで行い

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3日以内に終了するということが 決められております

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もしそれで十分に原因とか 明らかにならない場合

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あるいは学校の教育活動が原因となって 起こっている場合は詳細調査

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これは学外の専門家が入って 行う調査ですけれど

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それを実施し 最終的に報告書にまとめ

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再発防止を図るということが 行われております

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このような調査についてはですね

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あくまでもその原因を 明らかにする

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そして再発防止をする ということが目的であり

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決して民事・刑事上の責任を 追及するためのものではない

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というふうにお考えください

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そして被害児童生徒の保護者から 要望があった場合には

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その希望を叶えるというような意味で 行われることもあります

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以上学校安全に関する 総論についてお話してきましたけれど

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学校安全の活動は常に新しい情報を 集めるということが非常に重要です

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その一つの方法としては このような文部科学省が

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学校安全ポータルサイト というものを作っており

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これは毎月更新されております

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全国の都道府県で使われているマニュアルである とかあるいは安全教育の教材などもここで

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見ることができますし 国の新しい取り組みもここで資料が上がっております

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そういったものを

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ぜひ学校の中の研修にですね 活用していただきたいと思います

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以上で私の講義はこれで 終わりにしたいと思います

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